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DTPとは~色編

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2017.10.26

「DTP~色編」についてお話しします。

色指定

DTPではCMYKの組み合わせで色を指定することができます。
CMYKを使う4色印刷では、4つのインキの濃淡を「C(シアン)100%+M(マゼンタ)20%」のようにパーセントで指定します。
また、CMYKでは出せない色はインキ会社が独自に調合した“特色”という色を指定します。
色指定を行うと、画面上でその色(厳密に言うと、その色に限りなく近い色)が付いた状態を確認することができます。

トラッピング

カラー印刷ではCMYKの各版が別々にあり、これらの部分が隣り合って接している部分はズレて紙の白地が出ることがあります。
画面で見た状態を印刷でも再現するために、DTPではトラッピングという補正を行います。
トラッピングは隣接する一方の色を拡張させ、絵柄の周囲に白い輪郭が生じることを防ぎます。淡い色の方を拡張させるのが基本です。
方法は「チョーク」と「スプレッド」の2種類あります。

白抜きの部分を縮小して、重なる部分を作る。
のせる色の面積を少し拡張して、重なる部分を作る。

スミシタ

スミベタ(黒のベタ塗り)の場合、K(スミ)100%のみでは印刷結果でスミの濃度が真っ黒にはなりにくく、グレーに見えることがあります。
紙質にもよりますが、ほとんどの場合はスミの下にCMYの色アミを入れることによりスミの濃度が格段に上がって見えます。このような黒の状態をリッチブラックといいます。
よって、スミ1cのみの絵柄の下に、色アミがあるところとないところではスミの濃度が違って見えてしまいます。

これは色アミの上にスミがのっていることで、リッチブラックの状態になっている部分と、スミ1cの部分という違いが出てきてしまうからです。
それを防ぐために、スミ1cの部分の下に色アミを入れて、黒の濃淡が同じに見えるように調節します。このことをスミシタ処理といいます。
この時、スミ下に入れる色アミは見当ズレを配慮し、スミの面積よりも少し細くしておきます。

スミ1cの面積が広く下の色が複数ある場合は、下の絵柄などが透けた様に見えてしまいます。
これもリッチブラックにすることで回避することができます。

スミ1c ※黒の透け方は分かりやすくするために誇張しています。

リッチブラック

リッチブラック

より深みのある濃い黒にしたい時や、下の絵柄を透かせたくない時は、スミだけではなく他の色を掛け合わせて(例:K 100%、C 40%、M 30%、Y 40%)リッチブラックといわれる状態にします。
ただしリッチブラックを使用する際、掛け合わせの濃度があまり濃すぎると、大量のインキが使われることにより乾きが悪くなります。そうすると、重なった別の紙にインキが写ってしまうなどのトラブルを引き起こしますので、CMYKの総量は300%以下になるように設定しておくと安心です。

!印刷に使用するプロセスインキは、それぞれ純粋にシアン、マゼンタ、イエローだけのインキではなく、実際にはそれぞれに他のインキ成分が含まれています。 シアンインキには少なからずマゼンタも含まれていますので、マゼンタは膨張色でもあることから、マゼンタを数%下げて設定することが多いです。

また多くの色を掛け合わせることにより、白抜きの文字を配置した場合、見当ズレが目立つことがあります。

そこで各色の見当ズレを回避でき、リッチブラックほどではないですが濃い黒に見せるのがスミアイベタ(例:K 100%、C 40%)というものです。

色のムラがなくなり、たとえ見当ズレを起こしても、C(シアン)は後退色であることからそれほど汚くは感じられないという利点があります。

 

◎ここで一つ豆知識

一口に黒といってもいろんな黒があります。青っぽい黒、赤っぽい黒…
これは白や金など全ての色に同じことが言えます。
日本人は青色を好む傾向があると言われています。社内を見渡してみたところ、、、 文房具・事務用品はダントツ青色が多く、男性のネクタイも青色を着用している方がほとんどでした。

  
※左から青黒/黒/赤黒

この3つを比べてみると、パッと見では同じ黒に見えますが、よ~く見てみるとそれぞれ若干違う黒色です。赤黒よりも青黒の方がスッキリとしていて好まれる方が多いのではないでしょうか。
上記のスミアイベタも同様、青色が日本人に好まれる傾向にあることから、特に文字においては読みやすいと感じられるのだと思われます。

今回は、DTPにまつわる「色に関する注意点」のお話しでした。

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